朝の支度がとにかく進まない…実践して効果があった朝ルーティン3選

「時間がないのに、うちの子は着替えも歯磨きも全然進まない…」
「何度声をかけても、ボーッとしていて動かない…」
そんな朝の悩み、ありませんか?
特に、発達障害やADHDの特性をもつお子さんの場合、時間の感覚がつかみにくかったり、頭の中が整理されず次の行動に移れなかったりすることがあります。
実際のご家庭で「効果があった!」と声の多かった朝のルーティン術を3つご紹介します。
「毎朝のバタバタがしんどい…」というお母さんの負担が、少しでも軽くなりますように。
1. 見えるスケジュールで「次にやること」を明確に
ADHD傾向のある子は「次に何する?」がわからない
ADHDの特性をもつお子さんは、「今、何をすればいいのか」「次に何をすべきか」が頭の中で整理できないことがあります。
そのため、口頭で「早くして」と言われても、本人は「何を早くするのか分からない」状態になってしまいがちです。
おすすめ対策:「やることボード」やタイムテーブルを活用
おすすめは、視覚的に行動を示す「見える化」。
たとえば、以下のような工夫が効果的です。
- 壁に「朝のやることリスト」を貼る(イラスト入りがベター)
- 「起きる」「顔を洗う」「朝ごはん」「歯みがき」「着替え」など、工程ごとに絵カードを用意
- 「終わったら裏返す」「全部できたらシールを貼る」などゲーム感覚を加える
自分で「あと何が残っているか」が分かると、行動に移しやすくなります。
2. スモールステップで「できた!」を増やす
一度に全部やらせようとするとパンクする
「歯みがきして、着替えて、カバン準備して!」
これらを一気に言われると、大人でも混乱しますよね。
発達特性のあるお子さんは特に、一度に複数の指示を処理するのが難しいことがあります。
おすすめ対策:「1ステップずつ」+「できたを見える形に」
たとえば、次のような工夫が有効です。
- 「着替えようね」→完了したら「よくできたね!」と声かけ
- 次に「歯をみがこう」→終わったらチェック表にシール
- すべて終わったら、「朝の支度ミッションクリア!」とごほうびタイム
1ステップずつ、順を追って達成させることで、子どもも達成感を得やすくなり、支度が前向きな行動に変わっていきます。
3. 前日のうちに「朝の負担」を半分に
朝は刺激が多くてキャパオーバーしがち
朝は、音・光・声・空腹など、さまざまな刺激が一気に押し寄せてくる時間帯。
感覚過敏のあるお子さんや、注意が散りやすいお子さんにとっては、非常に負担の大きい時間でもあります。
おすすめ対策:夜に支度の8割を済ませておく
翌朝の負担を減らすには、夜のうちに「準備できることを終わらせておく」のが有効です。
- 着替える服をベッドの横に置いておく
- ランドセルの中身を親子でチェック
- 朝ごはんを一部仕込んでおく(おにぎりを握っておく、ヨーグルトを冷蔵庫に)
朝にやることが少ないだけで、お子さんの「イライラ」や「ぐずぐず」が減ったという声も多く聞かれます。
4. 「早くして!」を言わずに済む工夫
急かす言葉がプレッシャーになってしまうことも
「早くして!」「また遅刻するよ!」
これはつい言ってしまいがちですが、特性のあるお子さんには逆効果なことも。
不安やプレッシャーを感じて、ますます動けなくなってしまう場合もあります。
おすすめ対策:「時間の見える化」+「声かけの工夫」
たとえば、こんな方法が効果的です。
- 「7:30になったら家を出るよ」と具体的に時間を提示する
- デジタル時計よりアナログ時計を活用(残り時間の感覚が視覚的にわかりやすい)
- 「あと5分で出発だから、靴下はこうか」と“今すべきこと”を具体的に
声のトーンも「指示」ではなく「一緒に頑張ろうね」という雰囲気にすると、子どもの動きが変わることもあります。
5. 母親も「完璧を求めすぎない」ことが大切
「できない日」もあって当たり前
毎日うまくいくとは限りません。
昨日できたことが今日はできない…それも特性の一つです。
つい自分を責めてしまうこともあるかもしれませんが、「できた日」をちゃんと見つけて、お子さんと自分をほめてあげてください。
「がんばりすぎない仕組み」でゆとりをつくる
- 朝食は毎朝同じメニュー(決めておくと考えなくて済む)
- 寝坊した日は「全部やらなくていい」と割り切る
- 支度が遅れても、先生に一言事情を伝えておけば安心
母親が少しでもラクになることで、子どもも安心しやすくなります。
焦らず、一歩ずつ「できる朝」を育てよう
発達障害やADHDの特性をもつお子さんにとって、朝の支度はハードルが高い行動です。
でも、工夫と理解があれば「うまくいく日」はちゃんと増やせます。
- 見える化で「次にすること」を明確に
- 1ステップずつ、できた!を増やす
- 夜の準備で朝の余裕をつくる
- 「急かしワード」を減らして声かけを変える
- お母さん自身ががんばりすぎない
親子にとって、少しでも心穏やかな朝が増えていきますように。