「感情の起伏が激しい」→イライラ爆発前にできる3ステップの対処法 家庭でできる具体的ステップを記載

「また怒ってしまった…」そんな自分を責めていませんか?
「宿題してって言っただけなのに、急に怒り出した」
「朝の準備でちょっと急かしたら、大泣きされてしまった」
そんな日常のひとコマに、心がぐったりしてしまうことはありませんか?
特に、発達障害やADHDの特性を持つお子さんは、感情のコントロールがとても難しいと言われています。
けれど、それは“わがまま”でも、“甘え”でもないのです。
もちろん、お母さんが悪いわけでもありません。ただ、「どうしたらいいのかわからない」というのが、正直な気持ちではないでしょうか?
今回は、感情の爆発を少しでも和らげるために、家庭でできる具体的な3ステップをご紹介します。
どれもすぐに始められるものばかり。
まずは「試してみようかな」そんな気持ちから、一緒に始めてみませんか?
なぜ、うちの子はすぐに怒るの?
感情コントロールが苦手な脳の仕組み
ADHDなどの発達特性を持つ子どもたちは、「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という感情のブレーキをかける部分の働きが未熟だといわれています。
そのため、感情が込み上げたときに、自分の気持ちを落ち着けることが難しいのです。
これは脳の特性であり、しつけの問題ではありません。
叱る前に知っておきたい“感じやすさ”の正体
音やにおい、人の表情、空気の変化などに過敏に反応しやすいのも、彼らの特徴のひとつ。そのため、大人にとっては「なんてことない」ことでも、本人にとっては強烈なストレスになることがあります。
親が「普通」と思っている基準とのズレ
「これくらいできて当たり前」「どうしてわからないの?」という基準が、実は本人にとってはハードルが高すぎることも。
子どもの行動に「困っているのは親」ではなく、「一番困っているのは本人」なのです。
ステップ①「見える化」でイライラの正体をつかむ
子どもの感情に名前をつけてみよう
「イライラ」「もやもや」「ムカムカ」など、感情に名前をつけることで、自分の気持ちを客観的にとらえやすくなります。
まだうまく言葉にできない子には、「今日の気分は何色?」と色で表してもオッケーなんです。
「感情温度計」を一緒に作ってみよう
感情の高まりを段階で見えるようにする「感情温度計」。
「冷たい→普通→あったかい→熱い→噴火!」のように、5段階にして壁に貼っておきましょう。
「今はどこかな?」と自分で確認できるようになります。
表に出ない“前ぶれサイン”を親がキャッチ
手がそわそわしている、目をそらしている、急に無言になる…。
そうした“前ぶれ”に気づくことで、爆発の一歩手前で手を打てることがあります。
まずは、どんな前ぶれサインを出しているのか気づいてあげましょう。
ステップ②「一時停止」で心にブレーキを
深呼吸のタイミングとその効果
感情が高ぶったときは、「まず深呼吸しようね」と声をかけてみましょう。
その場を離れてベランダに出たり、お水を一杯飲んだりするのも効果的です。
“気持ちを切り替える”きっかけを作ってあげるのが大切なのです。
「5秒ルール」で気持ちの嵐をやり過ごす
「カウント5まで一緒に数えよう!」
怒りや涙が込み上げてきた瞬間に、「5、4、3…」と数えることで、脳にクールダウンの時間を与えることができます。
お母さんにも感情が込み上げることってありますよね?大人にも効果があるので、試して見てください。
親子で一緒に“クールダウンスペース”をつくろう
お気に入りのぬいぐるみやクッション、本などを置いた「ひとりになれる空間」を部屋の一角につくっておくと、子どもが自分で気持ちをリセットする手段になります。
ステップ③「選択肢」を与えて感情に出口を
「ダメ!」の代わりに使える3つの言い換え例
「それじゃなくて、こっちにしようか」
「どうしたいか、自分で決めていいよ」
「今は難しいけど、あとで一緒に考えよう」
「ダメ」と否定されると、子どもは壁を作ってしまいます。その代わりに“選べる余地”を持たせてあげることで、感情の行き場が生まれます。
感情の爆発を「自己選択」に変える工夫
「怒っていいけど、クッションを叩こう」「泣いてもいいけど、ベッドの上で泣こうね」どうしても感情の爆発はおきてしまいます。
その際に感情の出口を与えつつ、「どうすればいいか」を一緒に考えていきましょう。
リセットできる“魔法のことば”を決めよう
「パフェタイム!」「スイッチオフ!」など、親子で“合図の言葉”を決めておくのもおすすめ。
その言葉を聞いたら、深呼吸やお茶休憩など、気持ちの切り替えタイムにするというルールをつくることで、自然な感情の収束がしやすくなります。
完璧じゃなくていい。失敗しても「親子で育つ」
一度うまくいかなくても、成長のチャンス
どんな方法でも、最初からうまくいくとは限りません。でも、それは「ダメだった」ではなく、「気づきが増えた」ということ。
失敗も含めて、親子で経験していくものなのです。
「できたことメモ」で自信を育てる
「今日は最後まで怒らずに話を聞けたね」「ちゃんとクールダウンできたね」
そんな“小さなできた”をメモしておくと、あとから見返したときに親子の自信になります。
相談先・サポート機関とのつながり方
ひとりで抱え込まず、学校や自治体の相談窓口、発達支援センターなどの専門機関に話をするのも大切です。
「助けて」と言えることは、強さの証でもあります。
「まとめ」あなたのやさしさは、必ず伝わっています。
イライラしたり、怒鳴ってしまったり…。そんな日があっても大丈夫。
大切なのは、「何度でもやり直せる」と信じて、今日、明日と向き合うことが大切です。
お母さんの声かけひとつで、子どもの未来は変わります。
完璧な対応よりも、やさしさと工夫を少しずつしていきましょう。
焦らず、ゆっくりでいいんです。
その積み重ねが、きっとお子さんの「心の安心」を育てていきます。