ADHD(注意欠如・多動症)とは?
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今回は、ADHD(注意欠如・多動症)についてお話します。ADHD(注意欠如・多動症)とは、発達障害のひとつです。
発達障害には、ADHD(注意欠如・多動症)のほか、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(限局性学習障害/学習障害)といったものがあります。
どれもはっきりと分かれているわけではなく、重なり合っている部分を持ち合わす人もいます。
それぞれの特徴の強さによって、「ADHD傾向がみられますね」といったように、お話をされることがあります。
学校や園の先生、親戚や祖父母など周りから指摘されて、初めて耳にする方もいるかもしれません。
だいたい4歳ごろまでに「何か他の子と違うんじゃないか?」と違和感を覚えたという話をよくお聞きします。
3歳ごろまでは、自我を持ち始めたところで、おもちゃの取り合いや遊具の順番が守れない、場所にかかわらず走り回ってしまう、などといった行動がほとんどの子どもに多かれ少なかれ見られます。
幼稚園や保育園といった集団生活の中で、お友達の様子を知ることで、親も子どもも成長していくのです。
だんだんと学年が上がり成長しつつも、どこかやりにくいと感じたり、本人自身もストレスがたまって不安定になってしまうこと増えていきます。
そこで、市の発達相談や医療機関をたずね、7歳前後に最も多く診断が下されることが多いようです。
ADHDという名前や発達障害の認知度が上がったことによって、大人になってから気づく方もいます。子どもの頃には気づかなかったけれど、職場でミスを繰り返すことや人間関係を築きにくいといった特徴から、大人のADHDの診断に至るというようなこともあります。
子どもの場合は、特に小学校への入学前に、就学時健康診断などで、保護者から子どもの様子や相談をされる方が多い印象です。
診断を受ける前は、もしかして?と感じても、どうすることもできず、たったひとりで悩み、ああでもないこうでもないと日々の育て方に反省しっぱなしなんですよね。
最近では、インターネットで調べることができるがゆえに、自分の子どもが心配になって検索をすることでかえって、不安になってきているということはありませんか?
「ADHD」「発達障害」「原因」「いじめ」「不登校」「なおる?なおらない?」「遺伝」といった検索ワードを並べては、落ち込んでしまうといった声もお聞きします。
ADHDの原因は、明確にはわかっておらず、脳の機能に原因があると考えられています。親としては、自分の教育やしつけ、育った環境などが悪かったのか……と思い悩んでしまうこともあります。
そんなことはありません。インターネット上での様々な情報を知識として取り入れることは、親の「なんとしても子どもに幸せであってほしい」という思いからきているのです。つまり、愛情からくる不安なんです。
しかし、不安になって検索ばかりしたり、今までのことを後悔ばかりしていても仕方ありません。
まずは、目の前の子どものことをみていきましょう。
先ほどもお話したように、それぞれの特徴の強さによって、ADHDにも傾向があります。
特徴① 不注意性
- 忘れ物が多い
- 約束が守れない
- うっかりミスが目立つ
「さっき、これ先生に渡してね。と伝えたはずなのにすぐに忘れてるんですー!」
「昨日のうちに準備をしていても、準備をしたことすら忘れて、家に置きっぱなしなんてこともあります」
「部屋の中は踏み場がないほどぐちゃぐちゃで、プリントもどこにあるかわからないことが多いですね」
「何時までにゲームをやめると約束をしていても、約束のことを忘れてしまう。約束したからと伝えてゲームを止めると大声をあげたり、暴れたりするんで困っています」
「他の子たちと同じように勉強していても、テストの点数がなかなか上がらないんです。ケアレスミスが多くて、普段はできる問題も間違えてしまうようで……」
「問題を最後まで読んでいないから、間違えることがよくあります」
特徴② 多動性
- じっとしていられない
- 落ち着いた静かな場所が苦手
「授業中、だんだんと姿勢がくずれていき、おしゃべりや遊び、さらには立ち歩きなどをしてしまい、担任の先生から注意されることがあるようです」
「外食に行ったとき、同じくらいの年齢の子どもがメニューを選んだあと、落ち着いて待っていられる姿をみて驚きました」
「いつもじっとしていられないわけではないですが、みんなが静かにしていないといけないという場がプレッシャーになっていることがあるようです」
「静かにしないといけないところが苦手なのだと思っていましたが、新学期に周りの子が落ち着かずざわざわとしてる場も、気が散るのか、キーキー声を出して走り出してしまうことがあります」
「病院や公共の施設などで、不安定になりやすく、騒ぎ出すことが多いので予防接種などは行けていないです」
特徴③ 衝動性
- あと先を考えず行動してしまう
- 集中力が続かない
「お友達とのトラブルが多くて、いつも自分の子が何かしているのではないかと不安になっています」
「おしゃべりが大好きなのか、相手の話を聞いておらず、相手の言葉を遮って自分の話を聞いてもらおうとすることも……」
「言葉より先に手が出てしまうことが多く、周りの目が気になります」
「テスト前だから勉強する!と意気込んでいても、5分後にはゲームをしています。ゲームの回数の制限や終わりどきが難しく、そのたびに親子喧嘩になってしまいます」
「興味を持ちそうな分野の読書やキャラクターの描かれた簡単なドリルを勧めても、すぐに飽きてしまい、続きません」
「優先順位というものがわかっていないのか、しなければいけないことをほったらかしにして、遊びに行ってしまいます」
以上のような特徴があります。
いかがでしたか?当てはまることはあったでしょうか?
幼稚園や保育園、小学校、中学校と進むにつれて、だんだんと子どもの様子をみる機会が少なくなりますよね。
小さい頃は、離乳食の進みや立ち始める年齢などを他の子どもと比べたり、様子をママ友とお話したり……それはそれでストレスになることもあるのですが……
いつの間にか大きくなり、なんだかわからないうちに他の子より成績が悪いことを知って、怒ってしまい後悔する毎日。
いつのまにかゲームにのめり込む子どもを見て、どうすればよかったのかと悩む日々。
親が目を離しているときに、どうしているのか?どこで困りを感じているのか?
なかなか自分の子どもを見つめなおすことは難しいものです。
どんなことが当てはまるかな?何が苦手で、どういったことが得意なんだろう?と探すつもりで、向き合うことをおすすめします。もちろん、「こないだ約束したのにまたできていない」「こんなこともできないの」と思ってしまうことはあります。
「なんでできないの?」と強い口調で聞いてしまうことだって、あります。大切な我が子を持つ親だからこそ、感情的になってしまうのですよね。
一度機会をとって家族と話し合うことや、一旦紙に書きだしてみることで、冷静に子どもの「できる」「できない」を考えることができます。
家族の中で意見が分かれたり、自分の頭の中だけでは客観的にとらえられなかったりするときには、できるだけ第三者に頼ってみましょう。「頼る」ということは、弱みを見せると感じてしまい、ママ友や身近な人に言いづらい方もいます。
相手のことを気にして、重い相談だと思われそうで……と躊躇してしまう方もいました。さらには、「話すことでいじめにあうかもしれない」「知られたくない」「偏見の目が気になる」といった声もまだまだあるのが現状です。
市の機関は、プライバシーを守ってくれるけど、予約が取りにくいことやアクセスが悪いといった難点もあります。
家庭教師のグッドでは、発達障害の特徴に合わせた学習支援やカウンセリングを行っています。
子どもの発達の傾向を一緒に考え、学習支援の中で得意を伸ばすことや苦手を少しずつ克服することで、子どもの自尊感情が高まります。
子どもを見つめなおすきっかけとしてはじめてみるのもいいかもしれません。