一夜漬けを効率の良い勉強法に変えるコツ
本来は、勉強したことが点数や評価につながるのであれば、どんな方法だってOKなはずですが、一夜漬けで勉強するという人は、結果の有無に関わらず、マイナスイメージを持つ人が多いようです。なぜでしょうか?
一夜漬けのマイナスイメージの原因
良い点が取れた人でも、毎日コツコツとやればもっと点数が取れた、もったいないと言われてしまう。
これは、一夜漬けをする人=やらなくてはいけないことを、ギリギリまで行動に起こせない「無計画」な人という印象が強いからではないでしょうか?
部活が忙しく勉強する時間があまりないはずなのに、テストでは常に上位にいる人。
本当に忙しくても、そういう人は一夜漬けと言いながら、自分でも気付かないうちに効率の良い学習をしているのです。
一夜漬けは、準備・作業が重要だ
一夜漬けで大切なのは、当日の準備・作業をする時間をなるべくなくすことです。
すぐに学習に入れるように、計画的に「少しだけ」準備をします。
勉強ではなく準備はあくまでも作業なので、覚えようと意気込む必要もありませんし、まとまった時間が取れなくても、空き時間でいいでしょう。
テスト前日、闇雲に頭に詰め込んだり、ヤマを張ったりするのは本当の無計画です。
準備・作業は勉強じゃないですよ
・ノートの不備やプリントの紛失がないように、足りないページやプリントはコピーさせてもらって、そろえておく。
・授業中、先生の話を付せんで補足、シールやミニスタンプをアイキャッチ、色ペンで色分けしたりマークしておく。
・テスト週間に入ってから慌てない。一夜漬けの前日までに単語カードや暗記用まとめは作りましょう。
ここまでは勉強じゃない、あえて準備・作業と思いましょう。少しでも達成感があると、勉強したつもりという勘違いを起こします。
時間があるなら見やすく整理してもいいでしょう。
学校やカフェで友達を誘って、楽しくおしゃべりしながら一緒に準備してもいいでしょう。
時間なければシンプルなものでも構いません。
その人に合っているのなら、勉強法として間違っているわけではないのです。
部活など、集中力を高めるトレーニングをしている人にとって、一夜漬けは効率を重視した学習法。少しの時間でも結果が伴うことがあります。
一夜漬けは、時間がたつと忘れてしまう勉強法なの?
一夜漬けが評価されないもう一つの理由があります。
一夜漬けで覚えたことは、時間がたつと忘れてしまう。身に付かないから、無駄が多いという話です。
さて本当にそうでしょうか?
人の記憶には短期記憶と長期記憶とがあります。
短期記憶とは
短期記憶というのは脳の前頭葉を使う、作業用の一時記憶でワーキングメモリと呼ばれています。
例えるなら、届いた荷物を取り合えず受け取り、箱のまま仮置きするスペースです。
長期記憶とは
これに対して長期記憶というのは、脳の海馬が司ります。
短期記憶にあった荷物から不要な記憶は捨てて、必要なものだけを、長期保存用の引き出しに整理整頓した状態をイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。
家庭科の授業で作ったカレーライスのレシピを思い出してください。
さて、今、すっかり作り方を忘れてしまっていますか?
野菜を切る、肉、野菜の順に炒める、水を入れる、柔らかく煮込む、ルーを入れる。
と簡単な手順は覚えていませんか?
普段、料理をしない人なら、野外活動を含めても作ったのは数えるほどですね。
このような記憶は、短期記憶ではなく長期記憶です。
野菜の色や形、切ったときの感覚、炒めたときの匂い、湯気の熱さ、香辛料の香り、友人との楽しくおいしい試食。
このように自分の五感を使ったインパクトの強い記憶は、単調な作業としてでなく、長期記憶として記憶の引き出しに入れられます。
インパクトのある記憶は定着しやすい
いかがでしょう。
一夜漬けの勉強法でも、自分の五感を組み合わせて、印象深く覚えることで、長期記憶として記憶されます。
単語や用語の暗記用のカードやまとめは、
1.スマホのアプリに声に出して読んで録音。
2.再生して耳から聞きながら、カードを指でめくりながら、目で見て、声を合わせて読む。
これは、視覚、聴覚、触覚を使いながら、声を発するので、かなり効果的です。
まとめ
これまでコツコツと時間をかけて勉強してきた人も、こんな風に一夜漬けを組み合わせると、学習時間に余白が生まれると思いませんか?
今まで無計画に一夜漬けをしてきて失敗したなと思う人は、1教科からでも良いので、今回ご紹介した一夜漬け法を試してみてください。